タンスや押入れに仕舞いっぱなしになっている思い出の着物たち。
処分や整理をしようと考えた時、「買取」の手段が頭に浮かぶ人も少なくないでしょう。
しかし、”着物の買取”といえば普段関わることの無い分野。
知識がない方からすると、どのくらいの値段で売れるのか想像もつかないと思います。
何も知らない状態で買取に出して、もっと高く売れる方法があったのに損をしてしまった!なんて話を聞くこともあります。
そこで今回は、着物を売るときに安く買い叩かれない、そして少しでも高く買い取ってもらうためのコツを紹介していきます。
これから着物を買い取ってもらおうと考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
※クリックするとその項目にとびますので、興味があればクリックしてみて下さい↓↓
目次
高く売れる買取店の選び方
リサイクルショップやヤフオク・メルカリといった個人ネット販売、業者の買取と着物買取店はいくつか選択肢がありますが、このお店選びに失敗すると大変なことになります。
ポイント①メルカリなどの個人ネット販売は避ける
最近いらないものを売る場合によく使われる「メルカリ」や「ヤフオク」といったネット販売。
自分で値段を付けて売ることが出来るので買取価格も高く、よく利用する、なんて方もいらっしゃると思います。
しかし、”着物の買取”で「メルカリ」や「ヤフオク」を使うことはオススメ出来ません。
メルカリがオススメ出来ない理由
- 必ず売れるとは限らない
- 損をする可能性がある
- 個人間のやり取りなのでトラブルが起きやすい
順番に見ていきましょう。
必ず売れるとは限らない
着物のニーズは限られており、特に「メルカリ」といったフリマアプリでは欲しいと思っている人は少数と言えます。
確実に売れる保証もないので、速めの現金化をやタンスの整理を望む方には特にオススメ出来ません。
損をする可能性がある
上記の続きとなりますが、中々売れない場合、メルカリだと売れやすくするために値下げすることがあると思います。
そうなると、専門店で売れば何万もついた着物や帯が数千円、酷いと数百円になってしまうことも…!

結果的に大損してしまう可能性があるのです。
個人間のやり取りなのでトラブルが起きやすい
「メルカリ」での販売は値段交渉から売買、発送に至るまですべて個人間同士のやり取りで行われます。
よってトラブルが起きることが多く、その処理も全て自分で行わなければならないのです。
特に着物は気が付かなかった場所にシミがあった、思ってた色と違ったといったトラブルが起きやすいので注意が必要です。
ポイント②着物の知識があるお店を選ぶ
着物の査定には大量の知識が必要です。
振袖、留袖といった種類への知識から生地の素材、柄などはもちろんのこと、作家物の見分けや現代の流行り(色、柄など)まで全て分かって初めて正しい査定結果が導き出されます。
よくあるチェーン店のリサイクルショップだと、査定を行ってはくれますがまず正しい金額での買取には至りません。
酷い場合だと万の値段がつく着物が数百円、なんてこともあるんです。
着物を買い取ってもらう際は着物の知識が豊富な買取店に依頼するのが無難です。
ポイント③大手=安心の方程式は成り立たない
「着物の買取なら〇〇に」といった看板を掲げている大手の業者は数多くありますが、その中には着物の買取に力を入れていない業者も存在しています。
そういった業者に買取を依頼すると安く買い叩かれてしまったり、「貴金属はありませんか?」と他の物を売るように強く営業してくることも。
女性や高齢者だけだと、家の中で強く営業された場合、断り切れない可能性があるので注意が必要ですね。
当サイトが依頼を出した業者の中にも、大手かつ公式ホームページで大々的に着物の買取を挙げておきながら、いざ連絡してみると着物買取に興味はなく、貴金属の買取を推奨してくるお店が存在しました。
こういった業者は、正直見分けがつきません。
買取実績や買取品目をしっかりと載せていることも多いので、公式ホームページをじっくり見ても見分けることは難しいでしょう。
そこで当サイトでは、実際に査定依頼を出し、買取金額的にも対応的にも安心な優良店だけをピックアップしました。
買取業者を選ぶ際にはぜひ参考にしてみてくださいね。
高額になりやすい着物は?
せっかくの着物を買い取ってもらうなら、高額での買取を狙いたいですよね。
洋服買取ならブランド物、漫画の買取なら初版というように、着物買取にも比較的高額になりやすい着物とそうではない着物が存在します。
高額になりやすい種類
- 伝統工芸品や人間国宝の作品(秋山眞和、古澤万千子など)
- 流行りの色・柄の着物
- 派手な柄の着物(外国向け)
伝統工芸品や人間国宝・有名な作家の作品
より高く売れる着物というと、いわゆるブランド物、地域の伝統製法で織られた反物を使った伝統工芸品の着物が挙げられます。
具体的に言うと加賀友禅や京友禅(千總)、結城紬や大島紬といった歴史深い製法が高額買取になりやすいと言われています。
同じく人間国宝による作品も場合によっては数十万~数百万の値段がつくとのこと!

流行りの色・柄の着物
時期によって変動しますが、流行ものや人気の色・柄の着物は比較的高く買い取ってもらえます。
買い取った着物はクリーニングされた後店舗や市場にて販売されるため、購入ニーズが高いものは業者も良い値段をつけてくれますよ。
派手な柄の着物(外国向け)
これは外国への販売ネットワークを持っている業者に限りますが、普通だったらあまり値段がつかない着物でも外国人受けの良い派手な柄であれば高価買取をしてくれることがあります。


状態
- シミ・汚れ・痛みの無い着物
- 丈が長い(サイズが大きめの)着物
シミ・汚れ・痛みの無い着物
基本的に作家物や工芸物でない着物にはそこまで高い価格はつきませんが、状態の良い着物、未使用であったりシミ・汚れ・痛みの無い着物はそれなりの価格がつきます。
丈が長い(サイズが大きめの)着物
着物が多く作られていた当時は日本人の身長が小さく、それに合わせた丈のものがほとんどでした。
しかし平均身長が伸びた今、現代の人でも着れる大きめのサイズの着物はニーズが高く、良い価格をつけてもらえます。


より高く買い取ってもらうためのポイント
それでは着物をより高く買い取ってもらうためのポイントをご紹介します。
気を付けるべきは5点!
- 普段から細かな手入れを行う
- クリーニングには下手に出さない
- 証紙・作家名入りの桐箱も一緒に売る
- たとう紙も一緒に売る
- ふりを切らない
普段から細かな手入れを行う
当たり前のことかもしれませんが、状態の良い着物ほど高価買取が狙えます。
しかし着物をあまり着なくなって久しい現代日本、着物を着る機会といえば七五三や結婚式といったイベントくらいのもの。
普段はしまいっぱなし、なんて方が多いのが現状だと思います。
しかし保管方法を間違えると、せっかく高価な着物でも色が褪せたりカビが生えたりと状態が悪くなってしまうんです!
着物を長持ちさせるためにも、正しい着物の保管方法を覚えておきましょう。
着物の正しい保管方法
着物を保管する上で大事なポイントは5つ!
一、「畳む前に風通しを行う」
着物をたたんで仕舞う前に、きものハンガーなどに掛けて風通しを行うようにしましょう。
風通しを行うことで汗や着物に移ったぬくみを取るだけでなく、シワなどもある程度伸ばすことが出来ますよ。
風通しで取れなかったシワは裏からあて布をし、アイロンをかけて取ってくださいね。
二、「着物は1枚ずつ「たとう紙」に包む」
着物は1枚ずつ着物用の「たとう紙」(文庫紙)に包んで保管するようにしましょう。
たとう紙」に包むと着物の大敵”湿気”を防ぐことが出来るんです!
布地にシワがつきずらくもなるので、使って損はないですよ。
「たとう紙」は着物を購入した際タダでついてきますし、今は100円ショップでも買えるようです。
安価なものでも大丈夫ですが、1年に1回取り換えるのがベストです!
※「たとう紙」を使う際は薄紙を捨てるようにしましょう。薄紙には糊がついており、虫の大好物となっています。
虫喰い食いを防ぐはずが虫食いを増長させていた、なんて事にならないよう、薄紙は必ず捨てるようにしてくださいね。
三、「風通しの良いところに保管する」
先ほども書いた通り、着物の大敵は”湿気”。
どんな大切な着物でも、カビが生えてしまえば着れなくなってしまいます。
そうならないためにも、着物の保管場所は風通しの良いところにしましょう。
理想を言えば桐の箪笥が一番着物を綺麗に保管することができますが、風通しが良ければプラスチックケースなどでも大丈夫です。
四、「乾燥剤・防虫剤は1種類のみ使う」
着物を守るために必須なのが乾燥・防虫アイテム。
乾燥剤や防虫剤は併用しても大丈夫ですが、何種類も使用することは避けるようにしましょう。
何種類も使うと防虫剤の成分などが化学反応を起こし、着物を変色させてしまったりシミになってしまう恐れがあります。
乾燥剤・防虫剤を使う時は一種類に絞り、布地に触れないよう箪笥の四隅に置くようにしてくださいね。
五、「時折新鮮な空気に触れさせる」
いわゆる「虫干し」というものを時折行うとなおベストです。
虫干しは11月~2月ごろ、1年で一番乾燥している時期の晴天が続いた風の無い日が理想的です。
時間が無い場合は押入れや衣装箱のふたを開けたりして空気を入れ替えるだけでも効果がありますよ。
二、クリーニングには下手に出さない
「状態の良い着物ほど高価買取が狙える」
そう書いたばかりで以外かもしれませんが、実は着物をクリーニングに出すのはリスクが高いのです。
といいますのも、町にある専門ではないクリーニングに出してしまうとほつれてしまったり裾がよれてしまう恐れがあります。
そうなってしまうと価値が下がり、買取金額も下がってしまうのでクリーニングには下手に出さないでそのまま買い取ってもらうようにしてくださいね。
もちろん「京洗い」といった着物専門のクリーニングではそんな心配もないのですが、普通のクリーニングより高額なので買取金額よりもクリーニング代金が上回ってしまうことがあります。
- 一般的な着物クリーニング:2,000円~10,000円程度
- 京洗い:5,000円~40,000円程度
よっぽど酷い汚れ・においが無ければきちんと値段をつけて買い取ってもらえるので、下手にクリーニングには出さないようにしましょう。
三、証紙・作家名入りの桐箱も一緒に売る
有名な作家や工芸士、織元の着物だと「証紙」という端切れがあると思います。
「証紙」には以下のような内容がしるされており、本物の証明書のような扱いになります。
- 産地の登録商標
- 織元の名前
- 伝統工芸品マーク
- 機械織りか手織りか
- 絹100%
- 染め方など
この「証紙」を買取の際一緒に出すと、着物が本物と一目で分かるので買取金額がかなり上がりますよ!
もし「証紙」がない場合は、落成款識(らくせいかんし)、いわゆる落款が着物についていると作家の証明となり、買取金額が上がります。
落款とは証紙と同じようにその着物の作者や工房などを示す重要な証明です。
事前に確認しておきましょう。
四、たとう紙も一緒に売る
有名な呉服店で着物を購入した場合、ついてきた「たとう紙」を一緒に売ると着物の価値があがります。
着物に限らず、何か物を売る際商品が入っていた箱や説明書を一緒に売ると買取金額が上がりますよね。
それと同じで、「たとう紙」はいわば箱のような扱いとなっているのです。
特に有名な呉服店の「たとう紙」は単体でも値段がつく事があるので大事に保管しておきましょう!
五、ふりを切らない
ふりとは着物の袖の部分の名称で、袖付けから袖下までのことをいいます。
このふりを切り落とすと振袖でも訪問着のように使うことが可能になりますが、買取という面で考えるとこれはマイナスポイントです。
振袖は未婚の第一礼装と言われる着物なので、ふりを切ってしまうと格が落ちてしまいます。
思い出の振袖、訪問着として長く使いたいというのならふりを切るのも手だとは思いますが、買取を視野に入れるなら袖部分は残しておくようにしてくださいね。
値段がつきにくい着物って?
着物は決して安いものではないので、どんなものにも値段が付くちイメージされている方も多いと思います。
しかし、実際には取引はしてくれるものの実は値段がほとんど付かない、または全く付けられないという着物も中には存在しているのです。
そこで、最後に値段が中々つきにくい着物について見ていこうと思います。
値段がつきにくい着物
- ポリエステルなど化学繊維素材の着物
- シミや汚れ、痛みがひどい着物
- 強い匂いが染み付いている着物
- 喪服・家紋入りの着物
ポリエステルなどの化学繊維素材の着物
安くて丈夫、取り扱いも楽なポリエステル素材ですが、着物買取においての買取価格は安くなる傾向にあります。
理由としては、ポリエステル素材の着物は元々価格を抑えて作ることが出来るので元値が安いことが挙げられます。
どれだけすぐれた特徴があっても価値としては低く判断され、残念ながら高額買取にはならないのです。
きもの英(はなぶさ)の着物
買取価格が安くなりがちなポリエステル素材の着物ですが、中には高額買取を十分に狙える着物もあります。
その代表格と言えるのが「最高級洗えるきもの専門店 きもの英(はなぶさ)」の洗える着物です。
昭和42年に開業して以来洗える着物のみを取り扱ってきた専門店で、その記事はポリエステル100%でありながら絹とほとんど見分けがつかない素晴らしいもの。
そのため価値が高く、着物買取においても高額買取の対象となっているのです。
シミや汚れ、痛みがひどい着物
ある程度の汚れやシミ、痛みであれば少しの減額程度で買取価格にさほど影響は出ませんが、あまりにもダメージが大きい着物だと良くて無料引き取り、悪くて買取不可となってしまう場合があります。
何故かというと、買い取られた着物は汚れなどをクリーニングしてからリユースショップや中古市場で売りに出されます。
ここであまりにもダメージが酷いとクリーニング代や修繕費がかさんでしまうので、買取不可となることがあるのです。
強い匂いが染み付いている着物
汚れと同じように強い匂いが染み付いて取れない着物も買取不可となるケースがあります。
強い匂いの例としては、
などが挙げられます。
喪服
喪服はそもそも買取不可としている業者が多いのが現状です。
何故かというと、現代では喪服を着る人が少なく、スーツやアンサンブル、学生服などを着用する人がほとんどであることが挙げられます。
どうしても喪服が必要、という場合でもレンタルで済ませることが多いので、需要はほとんど無いと言えるでしょう。
