今回は着物の買取相場について、実際に着物買取の査定に来てくださった鑑定士の方々にインタビューしてみました。
2019年の最新情報をもとに、着物の種類別の買取金額一覧表についても作成して、最後にまとめてありますので併せて参考にしてみて下さい。
着物買取の査定額は2019年現在どうなっているのか?



買取相場が高くなっていかない原因は、需要と供給の両方での理由があります。
需要面
- 若者が着物をあまり着なくなってきている。
- 高齢者でも着物ではなく、洋服の着用が一般化している。
そのため、国内では着物の需要が少なくなっています。ただし海外からの観光客向け、海外市場への輸出などは需要面からみるとプラスと言えるでしょう。
供給面
- 終活、生前贈与などで着物が買取市場に出回ることで、供給が増え始めている。
- 昔よりも着物を売る人が増えてきている。

タンスに眠る着物がどんどん市場に出始めたことと、日本人で着物を買う人が少なくなっていることで市場が飽和し始めています。
着物の価値が変わっている




昔は絹で出来た着物はそれ自体に非常に価値があり、財産という考えが一般的でした。しかし最近では絹自体の価値もそれだけで財産となる程ではなくなっています。
そのため、着物は財産としてではなく、『服』としての価値を判断される様になってきています。
ここでポイントなのが、『服』として評価した際の着物の価値となります。
服として買ってもらう場合、比較するのは一般的な洋服などになります。その際に方や数千円~数万円で売っている洋服に対し、数十万から数百万もかけて中古の着物を普段着として買って貰うのは非常に難しいです。

また、昔新品で買った際に何十万~何百万したものが、現在服として評価すると数千~数万になってしまうのには、きちんとした理由があります。
- 昔と違い、絹製品というだけで財産として評価される時代ではなくなった。
- 着物はオーダーメイド品であり、服として見た際に、他の人には同じ価値になり辛い。
- 新品の着物が高い理由は、作成時に多くの人が関わるため、高い工賃が要求されることが理由の一つだが、中古で買う際にはこの部分は値段に入れれない。
これからの時代に、着物を高価買取してくれるお店とは?



- 海外向けの販路を持っているか
- 自社で国内向けに直接ユーザーに売れる販路をもっているか (付加価値が付けれると尚良い)
両方の販路を持っているのが理想ですが、どちらかに特化していても良いと思います。




- 花柄であったり明るい色合いの着物が好まれる傾向があります。
- 160cm程度のサイズがある方が高値が付きやすいです。
一つ目ですが、これはお土産であったりオシャレで着るため、地味な物よりもわかりやすくきれいな物が喜ばれます。
二つ目ですが、昔ながらの日本人女性は150cm~155cmぐらいのサイズが多いのですが、現代において海外の女性が着る際にはそのサイズは少し小さいからです。
そのため、160cm程度ある着物は高値を付けてくれるお店があります。
※ただしこれらも『服飾品』としての査定のため、何十万円といった価値になることはあまりありません。


これらの状況を踏まえると、着なくなった着物については市場価値が下落したり、古くなって汚れが酷くなる前に、早めに買取に出す方が良いと言えます。
また、今の時代に買取に出すなら、ある程度会社の規模が大きくて海外に販路を持っているお店の方が高値が付く可能性が高いでしょう。


海外に販路があるor国内で独自の販路がある会社

No.1 ヤマトク

ヤマトクのポイント★
アメリカを筆頭に、欧米・南米・アフリカなど数多くの国に輸出
ヤマトクは、縮小傾向にある日本の市場に固執せず、2000年からは海外市場での販路を開拓してきました。
その成果もあり、現在では90カ国以上との取引があるため、強い海外販路を持つことに成功しています
企業理念でも語られていますが、「よりグローバルに、より自由な発想で、より主体的に」というスローガンのもと、Global Recycling Networkを形成することが会社の目標ともなっています。
買取した商品を、国内向け・海外向けと再分類
買取した商品群を国内で高く売れるモノ、海外で高く売れるモノ、セットで高く売れるモノとそれぞれ再仕分けすることで、従来よりも高く売ることが出来る様になっています。
その結果として、ユーザーに対する高い買取価格の提示も出来る様になっているのです。
また、買取した着物を自社サイトで販売することで、より高い収益性を出しています。
手続きの殆どをWeb化することでコストダウンを実施
ヤマトクの買取を実際に利用してみましたが、手続きが全てWeb上で完結することが出来ます。
ITを駆使したオペレーション化を進めた結果、大量の商品が取り扱える様になり、人件費も削減したため、より良いサービスがお客向けに出来る様になっています。
No.2 バイセル

販売も含めた総合リユースサービスを提供。
バイセルは、日本全国対応の買取サービスからEC、催事など多様な販売サービスまでを一貫して行なっています。
社長インタビューでも『消費して捨てる時代は終わり、良いものは今日もどこかで必要とされ、明日は誰かが必要とする。』と語っており、良いものを社会全体に還流させ、循環を生み出すことを目標にしている理念の高い会社です。
「バイセルオンライン」で買い取った着物を販売!
自社サイトやECサイトを通じて、買取した着物をインターネット上で販売しています。
バイセルでは様々な商品を取り扱っていて、着物・ブランド品・時計など合わせて約20,000点以上の商品を販売していますが、特に着物には力を入れており、買取・販売ともに様々なキャンペーンが日々行われています。
インターネットだけでなく、対面でも販売事業を行っています。
もちろんインターネットも大事ですが、実際にお客と向き合って販売する事業を行っていることは非常に信頼感があります。
全国の百貨店において、様々な市やバザールをかいさいしています。
また、オークションでの販売も行っており独自の方法を取り扱うことで高価買取を実現しています。こちらは他社にはない販路・強みとなっています。
2019年-着物買取相場一覧表
ここでは2019年最新の着物買取相場を一覧にしてみました。複数社の買取金額・相場一覧表をもとに作成していますので、大まかな平均値が分かると思います。

一般的な相場 | 有名作家物の場合 | |
訪問着 | 8,000〜40,000円 | ~200,000円 |
振袖 | 10,000〜40,000円 | ~140,000円 |
留袖 | 5,000〜12,000円 | ~70,000円 |
付け下げ | 3,000〜12,000円 | ~80,000円 |
紬 | 3,000〜10,000円 | ※ |
色無地 | 3,000〜5,000円 | ~20,000円 |
小紋 | 1,000〜7,500円 | ~100,000円 |
長襦袢 | 100〜2,000円 | ~5,000円 |
帯 | 4,000〜7,500円 | ~30,000円 |
昔と違って、現在はウールやポリエステル製の着物も数多く出回っています。それらの着物は訪問着であってもかなり買取金額が低くなります。
中には買取してくれないお店もありますので、売る際は気を付けてください。
また最近はワンタッチ帯などの気軽に使えるものの人気が高まっており、意外に値段が付くこともありますので、捨てたりせずに買取に出してみては如何でしょうか。
織着物の種類 | 有名作家物の場合 |
大島紬 | ~200,000円 |
黄八丈 | ~180,000円 |
郡上紬 | ~150,000円 |
芭蕉布 | ~150,000円 |
久留米絣 | ~130,000円 |
結城紬 | ~100,000円 |
綾の手紬 | ~100,000円 |
宮古上布 | ~100,000円 |
越後上布 | ~90,000円 |
久米島紬 | ~80,000円 |
科布(しなふ) | ~60,000円 |
藤布(ふじふ) | ~60,000円 |
紅花紬 | ~60,000円 |
牛首紬 | ~35,000円 |
塩沢紬 | ~20,000円 |
伊奈紬 | ~20,000円 |
能登上布 | ~15,000円 |
昔から言われる一般的な買取のポイントでいうと、汚れが少ない、100%絹は高く売れる、有名作家・有名産地の着物などが挙げられます。
最近の流行りの点を加えてまとめると、これらのポイントが重要となります。
- 正絹の着物
- 汚れの少ない着物
- 有名作家の着物
- 有名産地の着物
- 丈の長い着物
- 160cm以上ある着物
- 明るい色の着物
- 華やかな柄の着物
これ以外にも、保管方法なども気を付けたい点となりますので、気になる方はこちらの記事をご参考下さい。
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